Mai Leedy
《コロナで休校》子供の情熱と才能が出会う場所
以前、私は13歳の時にモンゴルに行った
ことがあると話しました。
はじめての海外旅行、しかもひとり旅。
とは言っても、
まだ国交がなかったので個人旅行ができず
全国から子供達が集まって大人に引率されて
モンゴルという国に行ったのです。
モンゴルの自然を破壊しないように
支給された無添加の石鹸を持たされ
ひとりで名古屋空港まで行くだけで大冒険。
同じ年頃の見知らぬ子供達と共同生活をし
現地の生活を見せてもらい
現地では恵まれた(でもまずい)食事を食べ
時代遅れのディスコで余暇を過ごしたり
カナダやモンゴルの子供達と交流を持ち
13歳の私にとってそれは刺激的な8日間でした。
お風呂に入らない生活も
塩が入った紅茶も酸っぱいパンも
後半は「美味しい」と思い始め
お土産に家族に持っていったほど。
子供の適応能力って素晴らしい。
13歳にとってこういう経験は
今でもディスコで流れていた曲や空気感を
鮮明に思い出せるくらいインパクトを与えます。
とにかく世界はでっかいことや
いろいろな人間がいて刺激的なこと
日本という恵まれた国に生まれたこと
を13歳にして知った私は、無意識ですが
その頃から「将来は海外に出る」という
意識の芽が出てきたのだと思います。
前回、ご紹介したSir Ken Robinson氏が
別の動画The Elementsでこう話していました。
「子供の才能とは地球に眠る資源のようなものだ」
地中深くに埋まっているので、
探し出さなければいけない。
それは地表に落ちているわけではないので
多くの人が自分の才能に
気が付かずに一生を終える。
才能とは、何かが起こったり
きっかけをくれる誰かに出会ったりして
偶然見つかるものなのだ。
そしてその情熱や才能に対しての
家族や友人達による態度も大きく影響すると言います。
そこで思い出しました、私がたぶん中学生の頃
大好きだったSister Actという映画
のひとコマです。
「朝起きたときに
歌うこと以外考えられないなら、
誰がなんと言おうとあなたはシンガーよ」
「歌なんてお金にはならない」
と親に反対されて、情熱を注いでいた
コーラス部の練習に参加しなくなった生徒に
シスターがこう言ったのです。
ほとんどの子供達には
情熱をサポートする環境がないし
シスターのように自分の中に眠っている
才能にスポットを当ててくれる人
との出会いは誰にもあるわけではない。
美しい花を咲かせる植物を買ってきても その植物は適した環境でしか育たない。 子供の情熱や才能も一緒。 その子に合った環境作りをサポートする ことも大切なのです。 ここでモンゴルの話に戻りますが、 「なんで13歳でモンゴル?」 という問いに答えるならば、 両親は私の中に埋まっている 面白そうな種を見つけ、 その花をどう咲かせようか考えて この旅(環境)を提供してくれたのだと思います。 その後、読売新聞の子供記者になる のですが、これも実は母親のすすめ。 私が「書くこと」が好きになった 原点だと思います。 ロビンソン氏も孔子も 「自分の才能と情熱が出会う場所を 見つければ一生働かなくて済む」 と言っています。 情熱を注げる好きな事をしているときは 何時間練習してもご飯を食べなくても平気。 それどころか、心が満たされる。 自分の好きなことに投資していくと その結果に伴って 人生がどんどん変化していくのです。