Mai Leedy
トライアングルの魅力(個人的見解)
前回の続きです。
1.仕事や雇用の安定
やはり「雇用」が安定しているというのは大きな魅力です。Raleigh-DurhamにはTriangle Research Parkと呼ばれる世界でもトップクラスの研究学園都市があります。もうすぐあの大企業アップルも大きなキャンパスをトライアングルに建設すると報道されており、Amazonの第二HQの設立先トップ15にもノミネートされているトライアングルは雇用が安定していると同時に拡大しているのです。
ITやバイオ、製薬系の会社が多い印象がありますが、人口が増え続けているトライアングルですので必然的に他の雇用も生まれます。人口増加でトライアングルの不動産はここ数年で高騰し、トライアングルの外まで新しい住宅地や学校がたくさん建設されています。全米だけではなく世界のチェーンスーパーマーケットまでが軒並みトライアングルに進出しているのですから、様々な仕事の雇用が増加しているのは間違いありません。我が家の夫も医療関係ですがいい仕事に巡り合い、トライアングル周辺での仕事の将来性を大いに感じています。
2.教育レベルが高い
有名大学三校を結んでトライアングルと呼ばれるこのエリアには高学歴&教育に従事する人が多く、全体的に教育に対して意識が高いと言われています。特にWake郡とOrange郡は全体的に公立校のレベルが高いこともあり、不動産価値も高騰しています。私達もNCに移住してきて、ほとんどの家庭が子供を2歳からプリスクールに通わせていることに驚きました。日本人コミュニティも同様に、高学歴な方が多く教育の意識が高い印象を受けます。
お仕事で日本から数年こちらに駐在されるご家庭も同じように公立校のレベルが気になると思いますが、Wake郡とOrange郡の公立校は全体的に評価が高くどこに住んでも安心して学校に通わせることができます。学校選びは最初からSchoolRatingの高い学校を意識し過ぎず、英語が母国語でない生徒の受け入れ体制がしっかりしている学校を選んだ方がいいかもしれません。RTPに勤めている外国人も多いので、トライアングルにあるプリスクールも公立校も外国人の子供達が普通にいます。我が家の息子達もおにぎりやお稲荷さんをランチに行っていますが、インドや韓国のクラスメートもいるのでみんな様々でそんなに浮きません。
3.不動産、生活費が安い
トライアングルはカリフォルニアやニューヨーク近郊だけではなく、デンバーに比べてもまだまだ不動産が手頃な価格帯で大きな家が買えます。それもここ数年ですごい勢いで値段が高騰していますが、それでも固定資産税も所得税も国内平均以下なので暮らしやすいです。
4.温暖な気候と自然豊かな暮らしができる
実はデンバーから移住してきた時に「農業地帯の割に食料品はそんなに安くない」と感じました。海岸が近い割に魚介類も新鮮ではないし値段も高め。デンバーの方がオーガニック野菜やシーフードが安かったくらいです。最初は気がつかなかったのですが、ここの魅力はスーパーで安く買い物をすることではないのです。ノースカロライナでは美味しい野菜や新鮮な魚介類、お肉は大型スーパーではなく地元のファーマーズマーケットや農家さんに直接行って買います。
我が家があるApexは以前は農場だったそうで、住宅地から数分走るだけで農家さんが軒先で卵や野菜を売っていたりします。会社の同僚が副業で酪農をやっていて豚肉を売ってくれたり、気軽に新鮮な地物が手に入るのです。秋には友人の伝手で日本のサツマイモを作っている農家さんが子供達に芋掘りをさせてくれます。温暖な気候と豊かな土壌があるノースカロライナならではのQuality of Lifeですよね。
2−3時間西に行けば山がありキャンプや山歩きができ、東に行けば東海岸でも有数の美しいビーチがあります。近所にあるState Parkで湖水浴をしたり、Eno Riverで川遊びをして日常的に自然の中で遊んでいる息子達を見ていると、こんな環境で子育てができる自分達はなんて幸運なんだろうと感じます。
5. 日本人として快適に暮らせる
幸せに暮らす上で何を「望ましい」と思うかは人それぞれですが、日本人とアメリカ人の国際結婚の私達は多人種多文化であり日本人の私が暮らしやすい環境であることも重要な要素でした。トライアングルの平均年齢が36歳と若く、都会からの移住者が多いという統計から自分と同じような感覚を持った住人が多いと感じています。南東部に移住する上でマイナス要素だったのは「南部の閉鎖的な印象」です。でも実際トライアングルには何世代もこのエリアに住んでいる人はあまり多くなく、ノースカロライナ訛りがあるネイティブにもあまり会いません。さらにインド人、中国人、韓国人、日本人とアジア系も多いので多人種多文化に触れる機会も多く、日本人もかなり多い印象です。
ラーリーダウンタウンには日本の補習校もあり、日本語で様々なことを学び日本人としてのアイデンティティも確立できることも重要です。トライアングルには日本人の永住者と駐在家庭を含め多くの日本人が暮らしています。移住してきた当時も、こんな南東部の田舎町にある近所の公園で普通に日本語が聞こえてきて(それも何度も!)驚いたことを覚えています。積極的に活動している日本語のプレイグループも三つあり、日本人会も幾つかあり、みんなで日本人コミュニティを活性化しています。
都会のようにナイトライフを楽しむような刺激的な場所はほとんどありませんが、買い物やエンターテイメント、レストランもそこそこ揃っていて適度に便利で暮らしやすいです。
以上が、私が個人的に感じているトライアングルの魅力です。日本での受験やお仕事との兼ね合いがあると思いますが、もしノースカロライナ行きを迷っていらっしゃるなら是非一度来てみてください。子供達にとってはもちろん大人にとってもノースカロライナで過ごす時間や経験は自分の世界観が広がるチャンスかもしません。