Mai Leedy
帰国後の英語教育をどうするか?
更新日:2020年3月25日
帰国子女となる子供達の帰国後、日本での英語教育をどうするか?
大きな課題ですよね。私は帰国子女の母親ではないのでシェアできる体験談もありませんし、正直何が正解なのかわからない。でもずっと英語を学んでいる日本人のひとりですので、自分の経験も踏まえて子供達の英語力をどう維持するのかを考えてみます。
前回のブログ「帰国後、インターナショナルスクールに入れるべきか?」で母国語の基盤を作る大切さを私なりに解説しましたが、親としてはせっかく身についた英語力を落とすわけにはいきません。
我が家の場合は日本語ですが、義務教育に入って1日の大半を現地校にいくようになると日本語はあっという間に忘れ去られてしまいます。あんなに上手だったひらがなもカタカナも書けなくなってる。子供の脳はスポンジのように吸収力が凄いのですが、忘れるスピードも同じくらい速いようです。この状態を知って問題視しない親はきっといません。
我が家が日本人家庭という状況だったら、きっと定期的に英語環境に置く努力をします。かと言って、両親が片言の英語の場合は絶対に「家の中では英語」という事はしないように(笑)。帰国時の子供の年齢にもよりますが、子供が小さい場合は超高額な英語塾とかではなく、例えば同じ境遇の子や外国からの駐在家庭が集まりそうなコミュニティを探します。
では、帰国子女が集まるコミュニティはどこにあるのでしょうか?または英語が堪能な子供達と定期的に交流するにはどこにいけばいいのか?
アメリカに住む我が家の場合、毎日日本語のホームスクールするほど忍耐力のない母親(私)が選んだのは、日本語補習校です。やはり定期的に本物の日本語に触れさせる機会と時間を作る必要があると思います。親のコミットメントも大きいので私も相当なプレッシャーがありますが、学費も安いし日本と同じ教育を受ける事ができるありがたい場所です。
では、日本には補習校のような英語教育の学校があるのか?都会には複数のインターナショナルスクールはありますが、東京でも土曜日だけの補習校やアフタースクールというスタイルは聞いた事がありません。
となると、私がパッと思いつく英語環境は以下です。
① 帰国子女用の英語学校
私の知っている限り、東京には複数校あります。私の姪と甥も週一で通っています。日本語禁止で二年前に小4の姪が使っている教科書を見せてもらいましたが、ハイレベルで驚きました。現地校と同レベルだと思われます。政治家の話だったので、アメリカの政治の仕組みを知らないとかなり難しい内容でした。英語がわからない両親だったら予習復習の手伝いも難しいです。問題は学費が相当高額だということと、地方にはそういう学校がないかもしれません。詳しくは知りませんが、こんなに高度なトピックを英語で勉強をする際に、少人数制のクラスで自分でリサーチしたり、自分の意見をディスカッションさせたり、日本の公立校でやらないような授業をやってくれるのなら英語力云々だけではなく価値があるかも知れませんね。
② インターナショナルスクールのサマーキャンプ
姪っ子達の学校はアメリカ同様長い夏休み(三ヶ月)でこちらと同じように学校がサマーキャンプを開催していました。でも私の記憶では一ヶ月20万円とかで日割り計算で一日一万円だった…。経済的に余裕のあるご家庭はどうぞ。
③ オンラインで英語学習
日本の公文とかZ会とかではなく、アメリカにはホームスクール用の学習教材がたくさんあるのですが、「アメリカの補習校に通いたい」というくらいの熱意があればそういう教材を利用してもいいかもしれません。ただ、親もそれなりの英語力が必要なのと、アメリカでは補習校に送り迎えするだけでしたが、今度は先生もやらなくてはいけないので親も相当の覚悟と努力が必要です。
④ 帰国子女サークル
NCにもある日本語プレイグループのように英語を話す子供達の集まりがあれば、お子さんだけではなくお母さん達の情報交換の場にもなりますよね。少しサーチしてみましたが、検索の中に東京や湘南地区にはあるという書き込みがあったのですが詳細が見つけられず…。帰国子女が多い名古屋地区にもありそうですよね。自分で作ってしまう?
⑤ メディア
子供が大好きなテレビや映画を利用して、スクリーンタイムは英語だけにするとか?うちの姉もやっていましたが、大きくなると甥っ子は勝手に日本語に変えてテレビ見てましたね(笑)。
⑥ 夏休みのホームステイ
結局英語力を維持するためにお金も親のサポートも大変な上に、帰国子女用の英語塾もレベルが高いので子供のやる気を維持する事も課題になるかと思います。そのうち日本の生活に慣れて「なんで自分だけこんなに英語を勉強しなくちゃいけないのか?」と英語が嫌になる子もいるかも。それだったら、毎年夏休みに2週間でもホームステイに出して、海外でホストファミリーや友達と遊び、英語でコミュニケーションを取る楽しさや価値を感じてもらう。毎年夏休みを楽しみにするようになれば子供も英語を維持する目的がクリアになるし、何よりも英語力を上げるモチベーションに繋がりますよね。
⑦ ホストファミリーになる
これは我ながら良い案だと思ったのですが、いかがでしょうか?毎年ホームステイや海外旅行に連れて行くのは金銭的にキツイ場合、毎年ホストファミリーとして外国の学生を受け入れる。家族みんなでその子の国や文化を学べ、もちろん英語を使う機会も増えます。日本の場合、狭い住宅事情が問題になる可能性もありますが…。
とにかく、帰国後の英語力維持というのは親子で難しい課題になるでしょう。ただ、アメリカ生活で得たものというのは語学力だけではなく、日本しか知らない日本人とは「違う世界観が出来た」ことや、「海外との繋がり」が出来た事も海外駐在の大きな特典だと思います。子供達には「日本という国で生まれた地球の一員である」という感覚と「地球人の第一言語は英語である」を忘れないように親としてサポートしてあげるといいんじゃないかと思います。
余談ですが、私が小さい頃からずっと海外に目が向いていたのは親の影響です。でもでも我が家は全然インターナショナルな家庭ではなく、両親は仕事が忙しく、私がアメリカに12年住んでた時に退職して人生初のパスポートを取得し遊びに来てくれました。これを話すとまたひとつブログが書けるほど長くなりますが、私が今アメリカに住んでいるのは遡ると13歳の時に両親が勧めてくれて参加したモンゴルの旅がキッカケなのです。続く。