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  • 執筆者の写真Mai Leedy

帰国後はインターナショナルスクールに入れるべきですか?

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「アメリカ生活で培った英語力を落としたくないのですが、帰国後はインターナショナルスクールに入れるべきですか?」


帰国後の英語力維持を不安視するママ達からよく聞かれる質問です。お気持ちはよ〜くわかります、我が家は日本語の方ですが。


私の答えは「経済的に余裕があるならどうぞ」です。でも個人的にはそれも幼稚園まで。将来的に海外にベースを移す予定があるならまだしも、日本で暮らしていく場合は英語力のためにインターナショナルスクールに行く必要ないと思います。それよりもしっかりと母国語の基盤を作ってあげて、母国語で学ぶ力や考えられる力をつける方がずっと重要だと思います。


日本では今「英語力は必須」だと騒いでいるようで、先日たまたま観たテレビ番組でも芸能人ママ達がいつから英会話に通うべきか議論していました。私個人の意見としても、英語力は必須です!月並みな言い方ですが、英語がわかれば世界観が広がります。何かを調べる際に日本語では情報量が限られていたり日本人に都合のいいような偏った内容が多い中、英語であれば情報量が俄然増えるし、誰かの翻訳ではなく英語のオリジナル文献もたくさん読める。英語圏での物事の捉え方や文化的な背景などが見えて面白いなと思う事がよくあります。


それでも、アメリカ在住20年&英語力の無さで苦労した生粋の日本人の私が、20年経った今なぜこう考えるのかを体験談を踏まえて少しお話しさせていただこうと思います。ひとつの意見として参考にしていただければ幸いです。


① 英語は日本語ほど難しくない

語学力ゼロで18歳から渡米した私でも、30歳から渡米した友人でも英語であれば海外で暮らすのに苦労のない程度に話せるようになります。本気で英語を勉強する気があれば日本にいても英語が上手な人はいくらでもいます。18歳から日本語を勉強する方が100倍難易度が高いです。表現豊かな美しい言語である日本語が母国語である私達は幸せです。英語はいつからでも学べる。


② 英語力はあくまでもツール

アメリカの大学に行き、アメリカでの就労経験10年以上ある私の意見としては、結局は英語はコミュニケーションの道具でしかないです。大切なのは「話す内容」なのです。私達は英語を駆使して会話する際に言葉以前に知識の深さや考える力が必要なのです。日本語で面白い会話ができますか?日本語で会議に積極的に参加できますか?日本語で出来ない事は英語力をつけても出来ません。


例えば、私もアメリカ大学時代にディスカッションに入れなかった苦い経験がなんどもあります。当時は自分の英語力の低さのせいにしていましたが、本当は全然違います。知識の浅さや考える力がなかったせいなのです。多くの日本人もそうだと思いますが、卒業するための勉強しかしていないのでディスカッションとなると用意していた答え以外の応用が利かない、またディスカッションという短時間で自分の考えを持ちそれを表現するという練習をしてこなかったのです。こういうのは日本の公立校では学べないと思いますが。


そして四十路の今、アメリカ人だろうが何人だろうが物怖じせず、会話して多少の笑いを取れる自信があります(笑)。正直、英語力は大して成長がありませんが、きっと知識や経験が増えたから。そして何より「完璧な英語を話せなくて当たり前」という開き直った度胸がついたから会話を楽しめます。


③ 母国語でしっかり考える力をつける

どんなに英語を頑張っても、母国語のレベルが低いと読解力も思考力も育ちません。我が家は日米の国際結婚ですのでバイリンガル教育がしやすい環境です。それでも現地の学校に通い始めると9割型会話が英語になってしまい困っています。子供達の日本語力を上げるどころか維持するのでさえ親子で相当の努力が必要です。今春から日本語補習校に通うのですが、きっと息子達のOS(脳)は英語だと思いますので、将来的に補習校の勉強が彼らの母国語の足を引っ張るようになったら補習校はやめてもいいと思っています。それくらい母国語のレベルを上げることの方が大切だと考えています。


日本に住む皆さんも今必死に勉強している英語が本来の力を発揮するのは、「母国語でしっかり考える力や知識がある」のが大前提です。学生時代に勉強を怠った私も遅ればせながら自分のペースで勉強しています。


④ その子の向き不向きを見極める

女の子が料理やおしゃれに興味があったり、男の子が虫に興味があったりするように、性別だけの問題ではなく人間の脳はそれぞれ構造が違うと思います。語学に興味がある子や語学センスのある子っていますよね。その反対に数字や計算は得意だけど、コミュニケーション力は乏しいタイプの子も。やっぱり子供の素質ってそれぞれだと思うので(同じ兄弟でも全然違う)、その子が言語に向いてそうな素質があれば、早めに英語環境に触れさせるというような見極めは必要だと思います。


無理矢理向いていない英語に時間を割くよりも、その子の好きな分野を伸ばしエキスパートにさせた方がずっと効率がいい。いずれその分野で海外に飛び出す事があれば、必要に迫られて英語も頑張るだろうし、最悪きっとその頃には翻訳ロボットが一般化されているでしょう。


という事で、日本で英語環境の学校に入れるかどうかはご家庭の考え方次第ですが、私だったらインターではなくて横○幼稚園のようなところを選びます。(テレビで見ただけですが)毎朝20分ランニングさせて習慣作りの大切さを知り、自然の中で身体をいっぱい動かして運動する喜びを知り、勝ち負けで喜びや悔しさを体験したり、辞書や本をいっぱい読んで母国語をしっかり勉強させる。何語だろうが自主的に学ぶ楽しさを知っている子供の方が遥かに賢くなると思います。学ぶ事が楽しいと思える子供は、将来的に英語もちゃんと勉強します。


そうは言っても、親としては子供達にせっかく身についた英語を忘れて欲しくはない。せっかくついた英語力を維持する、そしてどうにかしてアメリカで育った経験を生かす方向に導いてあげたいですよね?次回は、私だったら日本に戻ってから子供の英語教育をどうするかを考えてみたいと思います。

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